設計者を志した訳

KAZU’R’O(カズロー)です。

「原風景」という言葉をご存じでしょうか?
原風景とは、「人の心の奥にある原書の風景」です。
KAZU’R’Oが今から約30年前の10歳のころです、実家がある敷地の一角で工事が始まりました。
父に尋ねると「家を建てる」とのことです。
幼いころ、父に「自分の部屋が欲しい」と駄々をこねて困らせていました、
何より1歳年上の兄と一緒の部屋がいやだったのです。
そんなことを知ってか知らずか父は家造りの準備をしており、
何よりもビックリしたのが、父自身が住まいの設計をしていたのです。
その原図(もとの図面)の記憶がうっすらと頭の中に残ってます。

工事期間中は楽しくて楽しくてしょうがありませんでした。
朝、学校への登校前の工事状況と帰ってきたときの状況が全く違く、
「明日はどこまで工事が進むのだろう」とワクワクして夜布団に、入り眠りについてました。
建物の軸組(構造材)が組みあがり、近所の方々を招いて行われた「上棟式」は実に盛大に執り行われ、
たくさんの方に祝っていただきました。
その後は毎日ジャングルジムのように建物をよじ登り、将来自分の部屋になるであろう場所に行っては
「机はここに置こう」「布団の敷き方はこっちに敷こう、いやベッドを買ってもらおうか」等
イメージを膨らませていました。

建物が完成するまであと少し、内装工事はすべて完了し照明器具なども設置完了。
後は、受電(建物内に電気が通ること)が完了すれば引っ越すことができます。
ただ、KAZU’R’Oは待てませんでした。
6帖程の真新しい、い草畳の香りがする部屋に布団を持ち込み、1人で寝ることにしたのです。
その光景は今でも忘れられません。

これが私の「原風景」であり、設計者を志す事を決めた理由です。
父が設計した実家のように、そこに暮らす家族(生活者)の事を考えた空間を提案できるようになりたい。
今思えばこの時期に自身が進みたい道を決めることができたのは、本当に恵まれていたと思います。

このブログを読んでいただいている学生の皆さんも、
私が体験したような「何か」理由があり建築を学ぶ事を決断し、その先に自身の目指す職業があるかと思います。
今ではKAZU’R’Oは設計者として活動していますが、今後紹介する学生時代から現在に至るまで、
多くの失敗や挫折、恥ずかしい事を経験してきました。
だが、それでも先ほど紹介した「原風景」が自身の支えとなっています。
良かったら、皆さんも考えてみてください。

KAZU’R’Oより。

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